私はいままでどんな本を読んできたのか

読書の秋です。皆さん、本を読んでいますか?

本から得られるものは大きい。私も本を読むのは好きですけれどね、ちょっと苦手なのが「文学」ってヤツですよ。

夏目漱石なんて、神経質なインテリの愚痴みたいなものだし。谷崎潤一郎なんて、ドMの妄想じゃないですか。いや、別に性的マイノリティを差別するつもりはありません。第一、ドMを「変態奴隷野郎」と差別したところで、喜んじゃうからなんにもならない。いや、ドM男は美女に罵倒されたら喜ぶけれど、お前に罵倒されたら怒るよ。なるほど、文学は難しい。ようは文学なんて面倒臭いだけでしょう。

 

私はどんな本を読んで来たのか

 

文学は苦手だけれど本は好きって。お前はどんな本を読んで来たんだよ?

そう聞かれると、考えてしまう。あれ? 私はどんな本を読んで来たんだろう。

いや、読んで来た本が、いまの私の性格やら人格を形成してきているんだ。これはちょっと思い返してみると面白いかもしれない。

そんなわけで今回は、私はどんな本を読んできたか。興味ない? まぁ、そう言わずに、余程お暇でしたら、最後までお付き合いください。

 

SFの古典が好きだった

 

小学生の頃読んでいた本は、ほとんど我が家には残っていない。なんでだろう。中学くらいの頃に捨てちゃったんだろうか。

記憶を辿ると、図書館でジュール・ベルヌとか読んだの覚えている。SFの超古典ですよ。「海底二万哩」「月世界旅行」なんか読んだ。でかい大砲で月まで飛んでゆくんだぜ。その発想が凄いぜ。「海底二万哩」はネモ船長のノーチラス号。あー、覚えている覚えている。

ベルヌを読んだきっかけは「八十日間世界一周」じゃないかな。蒸気船と鉄道で世界一周っていうのがロマンチックだった。そう、小学生の私はロマンチストだった。主人公のイギリス紳士がカッコよかったね。のちに名画座で、デビッド・ニーヴンとシャーリー・マクレーン主演の映画も見た。憧れていたのはこれだよ、って思った。私は今は、イギリス紳士とは縁もゆかりもない暮らしだ。紅茶も飲まない。科学にも縁がない。科学は中学で挫折したから、SFとも縁もゆかりもない暮らしを送っている。

 

大衆小説で大人を垣間見る

 

中学くらいは、何を読んでいたんだろう。

昭和40年代で、大人を垣間見たくて、当時のサラリーマンが読んでいたような大衆小説読んでいた記憶があるな。大人ぶりたかったけれど、大人の事情なんてわかんなかった。いまだにわかんないよ。

サラリーマンとかが過酷に戦い勝ち上るような話ね。昭和40年代は勝ち上がる時代だったのか。これも今の私には縁がない。ただただ負け下がっている。

この手の大衆小説はエロいシーンも多く、SMとかもこの手の本で知った。昭和40年代は少年漫画のエロシーンにもSMとかスカトロは出て来たけれど、あくまでもギャグだった。ミニスカートの女の子に顔を踏まれて情けないけれど、パンツ見られてラッキーみたいな。大人はパンツくらいじゃラッキーじゃなくて、勝ち上ろうと思った男が負け下がって、大勢の前で女性から屈辱を与えられて、その屈折なんかを描くから、その手の心理葛藤は、受験とかで「負け」のなんたるかを知りはじめた中学くらいだと案外ツボだったのかもしれない。

SFも読まなかったわけではない。友達が貸してくれて、筒井康隆とか読んだけれど、小学生の時にベルヌを読んだわくわく感はなかった。まぁ、のちに筒井先生は読むことになるんだが、やはり中学生で、大人びたいけれど、そこまで頭がついていっていなかったから、文体はわかりやすくても内容は難しかったのかもしれない。

 

演劇にめざめる

 

中学の終わりくらいで、演劇に目覚める。別に急に目覚めたわけではないんだが、人前でなんかやることは好きだったが、その方法のひとつとして演劇があることを知った。

で、高校の頃は、戯曲を中心に読んでいるんだけれど、当時はあんまり劇文学なんて書店にも少なかった。あるものをとにかく読もうと、チェーホフ木下順二なんか読んでいた。

80年代になってシナリオライターブームになり、倉本聰山田太一の本が出版される。もう二、三年前にその手の本を読んでいたら、本気でテレビのシナリオライターになろうと思ったかもしれない。そう、もう二、三年早く「金八先生」やっていたら、教師になっていたかもしれなかったり。

とは言え、子供の頃、ウルトラマンを見ていたのに科学特捜隊に入っていないんだから、関係ないか。

 

でも、読んだ本や見たテレビには、大なり小なり影響されて今日の自分はあると思う。

科学には挫折したけれど、科学が人間に幸福をもたらせてくれることは信じている。SFが好きだったことは大きいよ。

どうなんでしょうか。皆さんも読んだ本を振り返ってみると、どんな本が自分に影響を与えているのか、今の自分を形成しているのはなんなのか、わかるかもしれません。